MENU

【科学的に解説】運動後に水風呂が効果的な理由|筋トレ後やアスリート向けのリカバリー法

筋トレや激しい運動の後、疲労や筋肉痛を早く回復させたいと思ったことはありませんか?

そんなときに効果的なのが「水風呂」です。

冷水に浸かることで、筋力の維持や筋肉痛の軽減、持久力の向上などが期待できると、複数の研究が報告しています。

本記事では、本記事では、創業40年の『水風呂・チラードットコム』が、科学的根拠に基づいた水風呂のリカバリー効果をわかりやすく解説。最適な入り方や注意点までご紹介します。

\選定,設計,工事をトータルサポート/

目次

筋トレ後のリカバリーに水風呂が最適な理由

運動する人

筋トレ後のリカバリー方法として「水風呂」が注目されています。
近年の研究では、その効果が科学的に裏付けられつつあります。

2015年にクイーンズランド大学などが行った研究では、筋肉に負荷をかけるトレーニング後に水風呂に入ったグループは、筋力が維持されたことが明らかになりました。

一方、軽い運動でクールダウンしたグループは、筋力が有意に低下していたという結果でした。

また、2007年にイギリスのスポーツ科学機関が実施した調査では、インターバルトレーニングの直後に水風呂(10℃で10分)に入ったグループは、運動後1時間・24時間・48時間において筋肉痛が有意に軽減

さらに、膝の筋力の回復も早まる傾向が見られました。

これらの研究から、筋肉痛や筋力低下を抑えるということから、筋トレ後すぐに取り入れるリカバリーメソッドとして、水風呂は非常に効果的だといえるでしょう。

アスリートにとっては水風呂は重要な回復手段

水風呂に入る人

アスリートの間で広く取り入れられている水風呂。

実は、その背景には、体の内側からの回復をサポートする科学的な効果があります。

2017年に鹿屋体育大学が発表した研究では、大学サッカー選手がハーフタイム中にアイスバスを使用したところ、後半の走行距離の低下が約4%に留まったことが示されました。

一方、冷水浴を行わなかったグループでは約17%の低下が見られており、持久力の維持において明確な差が確認されました。

さらに、アイスバス後には大腿部の皮膚温が27.5℃まで低下しており、試合後もしばらく低い状態が保たれていました。

このことから、水風呂には過度な体温上昇を防ぎ、疲労を抑える効果があると考えられます。

また、冷水浴のメリットは持久力の維持だけに留まりません。

2022年時点の複数のレビュー研究でも、水風呂による以下のような効果が整理されています。

  • 深部体温を下げて、中枢神経の疲労をリセット
  • 心拍や血流を落ち着かせ、循環系の負担を軽減
  • 副交感神経を優位にし、リラックスと睡眠の質向上にも寄与

このように、水風呂はアスリートの体を効率よくリセットし、次のパフォーマンスにつなげるための心強い味方といえるでしょう。

運動後の水風呂利用のタイミングと注意点

水風呂に入る人

運動後に水風呂を取り入れることで、疲労回復や筋肉痛の軽減が期待できますが、効果を最大限に引き出すには「いつ・どのくらいの時間・どんな温度で入るか」が重要です。

また、すべての人に適しているわけではないため、体調や状況によっては控えた方が良い場合もあります。

ここでは、水風呂の適切な入り方と注意点について、わかりやすく解説します。

最適な水風呂の時間と温度

水風呂にどのくらい入ればよいのか? どの温度がちょうどいいのか?

これは、体質やその日の体調、目的によって変わるため、「絶対の正解」はありません

とはいえ、一般的に推奨される目安はあります。

\推奨される利用目安/

  • 水風呂単体の場合:30秒〜2分
  • サウナとのセット(交代浴)
     サウナ:8〜12分
     水風呂:30秒〜2分

特に交代浴を楽しむなら、17℃前後の水温が理想的です。
日本のサウナ施設でも、16〜18℃あたりが標準とされています。

この温度帯は、冷たさを感じながらも心地よく、自律神経が整いやすい「ととのい」状態になりやすいとされています。

ただし、水温が16℃以下になると、刺激が強すぎる場合があるため、初心者や寒さが苦手な方には注意が必要です。

健康目的で取り入れるなら、まずは17℃前後から始めるのが無難でしょう。

水風呂を避けるべき状況や体調

水風呂は万能なリカバリー法ではありません。以下のような体調や状況のときは、無理に入るのは避けましょう。

  • 極度の疲労や睡眠不足があるとき
  • 食後すぐや空腹時
  • 風邪気味、頭痛、めまいがあるとき
  • 冷え性が強い人や末端の血流が悪い人

また、心臓疾患や高血圧、その他の持病を持っている方は、事前に医師と相談することを強くおすすめします。

一見健康的に見える水風呂でも、体調次第ではリスクになることもあるため、無理せず自分の体と対話しながら活用していくことが大切です。

水風呂×運動の効果に関する科学的研究結果

水風呂に入る人

水風呂と運動の組み合わせには、さまざまな効果が期待されています。

ここでは、実際に行われた研究結果をもとに、持久力アップ・熱中症対策・筋肥大との関係などをわかりやすく紹介します。

水風呂で持久力アップ

水風呂は、ただ「冷やす」だけでなく、持久力を支える体の仕組みにも好影響を与える可能性があることが分かってきました。

2023年、オーストラリアの大学が行った研究では、4週間にわたり運動後に水風呂に入った被験者において、筋肉内の「ミトコンドリア」量が増加したことが示されました。

ミトコンドリアは、筋肉でエネルギーを生み出す「エンジン」のような存在。
これが増えると、持久力の向上につながると考えられています。

この変化には、AMPKやp38 MAPKといった酵素の活性化が関係しており、冷水浴が筋肉の持久的な適応力を高める手助けをする可能性があるとされています。

ただし、「水風呂だけで持久力が劇的に上がる」と断言するにはまだ研究が不足しています。

運動内容や水風呂の使い方次第で効果も変わるため、自分の目的に合わせた活用がポイントです。]

水風呂で暑さの中でもパフォーマンスを維持

暑い日の運動は、思った以上に体への負担が大きく、パフォーマンスも低下しがちです。
そんな時に注目されているのが、「プレクーリング(運動前の冷却)」というアプローチです。

2012年、イギリスの研究チームが発表したレビュー論文では、冷水浴・冷却ベスト・氷スラリーの摂取など複数の冷却法を比較し、冷水浴が最も持久力維持に効果的だったと報告されています。

冷水で体温をあらかじめ下げておくことで、体内に“熱の余裕”ができ、暑さに強い状態で運動をスタートできるという考え方です。

特にマラソンや自転車競技のように暑さの影響を受けやすいスポーツでは、運動前に数分間冷水浴を行うことで、後半のバテ防止につながると期待されています。

筋トレ後の水風呂は筋力アップを妨げる可能性も

筋トレ後の疲労回復に水風呂を取り入れている方も多いですが、筋肉を大きくしたい人にとっては注意必要です。

2021年、オーストラリアの大学チームによる研究では、筋トレ後の冷水浴が、筋肥大の鍵となるタンパク質合成を約20%低下させたことが報告されています。

特に、ジャンプ力や瞬発力といった「最大筋力の向上」が目的の場合、冷水浴によってその効果が妨げられる可能性があるという点も示されています。

つまり、筋力・筋量アップを最優先にしたいトレーニーにとっては、水風呂は逆効果になるケースも

リカバリー目的で短期的に使うのは有効ですが、頻繁に取り入れるのは慎重に検討すべきといえるでしょう。

運動後の熱中症リスクにも冷水浴が有効

運動中に体温が上がりすぎると、熱中症のリスクが一気に高まります。
このリスクを軽減する手段として、水風呂の利用は非常に効果的です。

2015年にアメリカの研究者が発表したメタ分析では、冷水浴は自然な体温回復と比べて、約2倍のスピードで体温を下げられることが明らかになりました。

特に有効だったのは、「水温10℃以下で、胴体と四肢すべてを10分間浸す」という方法。これにより、体温が効率よく水に逃げ、短時間で安全に体温を下げることができます。
一方、腕や手先だけを浸すような方法では、体温の低下はごくわずかで、熱中症対策としては不十分とされています。

運動後に「体が火照っている」「頭がぼーっとする」といった症状がある場合は、すぐに全身を冷水に浸す対応が有効です。

ただし、体調に不安がある場合は、無理をせず医療機関に相談しましょう。

まとめ|運動後に水風呂を取り入れて回復を加速しよう

運動する人

水風呂は、ただの“冷たいお風呂”ではありません。

使い方次第で、筋肉の回復や持久力の維持、熱中症対策にまでつながる優れたリカバリーツールです。

本記事で紹介したポイントをおさらいしましょう。

  • 運動・筋トレ後の水風呂は、筋力低下や筋肉痛の軽減に役立つ可能性あり
  • アスリートには、持久力維持や神経の回復にも効果が期待される
  • 水温は17℃前後、入浴は30秒〜2分が目安
  • 熱中症対策には、冷水浴での素早い体温低下が有効
  • 筋肥大を狙う場合や体調不良時は使用を控えるべき

科学的な根拠に基づいた水風呂の活用で、より快適で効率的なトレーニングライフを目指してみてください。

 自分の体と相談しながら、無理のない範囲で取り入れていきましょう。

「本格的な水風呂を自宅でも取り入れたい」「施設に既存の水風呂にチラーを導入したい」という方は、当社『水風呂・チラードットコム』にご相談ください!

『水風呂・チラードットコム』では、冷水設備の導入をトータルでサポート

創業40年の信頼と100以上の豊富な実績を持った専門スタッフが、丁寧にご案内します。

水風呂チラー フロー

もちろん、ご相談は何度でも無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。

\選定,設計,工事をトータルサポート/

参考文献

Llion A. Roberts ほか(クイーンズランド大学等)(2015年)「Effects of cold water immersion and active recovery on hemodynamics and recovery of muscle strength following resistance exercise」(冷水浸漬と能動回復が抵抗運動後の血行動態と筋力回復に及ぼす影響)

D.M. Bailey ほか(イギリス・スポーツ科学関連機関)(2007年)「Influence of cold-water immersion on indices of muscle damage following prolonged intermittent shuttle running」(長時間断続シャトルランニング後の筋損傷指標に対する冷水浸漬の影響)

Mohammed Ihsan, Greig Watson, Chris R. Abbiss(2016年)「What are the Physiological Mechanisms for Post-Exercise Cold Water Immersion in the Recovery from Prolonged Endurance and Intermittent Exercise」(長時間の持久力運動や断続的な運動からの回復における運動後の冷水浸漬の生理学的メカニズムとは)

藤田英二・末次真啓・森崎由理江(鹿屋体育大学)(2017年)「アイスバスがサッカー競技における特異的体力テストのパフォーマンスに与える影響

Mohammed Ihsan 他(Edith Cowan University, オーストラリア)(2015年)「Regular postexercise cooling enhances mitochondrial biogenesis through AMPK and p38 MAPK in human skeletal muscle」(定期的な運動後の冷却は、AMPKとp38 MAPKを介してヒト骨格筋のミトコンドリア生合成を促進する)

Paul R. Jones 他(イギリス)(2012年)「Pre-cooling for endurance exercise performance in the heat: a systematic review」(暑熱環境下での持久力運動パフォーマンスのための事前冷却:系統的レビュー)

Aaron C. Petersen、Jackson J. Fyfe(オーストラリア)(2021年)「Post-exercise Cold Water Immersion Effects on Physiological Adaptations to Resistance Training and the Underlying Mechanisms in Skeletal Muscle: A Narrative Review」(運動後の冷水浸漬が抵抗トレーニングへの生理的適応と骨格筋の基礎メカニズムに与える影響:叙述的レビュー)

Zhang, Davis, Casa, Bishop(米国研究者)(2015年)「Optimizing Cold Water Immersion for Exercise-Induced Hyperthermia」(運動による高体温に対する冷水浸漬の最適化)

目次
閉じる